2026年7月4日実施 1日環境大学実施レポート― 西粟倉の森で、学ぶ・楽しむ・感じる ―
2026年7月4日(土)、岡山県美作県民局主催の環境学習イベント「1日環境大学」が西粟倉村にて開催されました。1日環境大学は、身近な自然にふれながら資源循環や生物多様性を体感し、環境を大切にする心を育んでいただくことを目的とした取り組みで、岡山県内で毎年開催されております。今年は西粟倉村を実施場所に選んでいただき、「西粟倉の森で、学ぶ・楽しむ・感じる」をテーマに実施いたしました。私たち、株式会社エーゼログループ(以下:「エーゼログループ」)はその企画・運営を担わせていただきました。


| 日 時 | 2026年7月4日(土)10:30~15:50(岡山駅に18:00帰着) |
| 場 所 | 岡山県英田郡西粟倉村 |
| 主催等 | 主催:岡山県美作県民局 共催:株式会社エーゼログループ 協力:美作市・西粟倉村 後援:岡山県ごみゼロ社会プロジェクト推進会議 |
| 参加者 | 41名(定員:先着45名、小学生以下は保護者同伴) |
| 内 容 | 百年の森林構想の講義・役場庁舎&あわくら会館見学/ビオ田んぼでの生き物さがし/木材加工場見学・ヒノキとんぼづくり/BASE 101%での昼食/若杉天然林の森歩き |
西粟倉に集まる、1日限りの「環境大学生」!
当日は梅雨の時期で雨が降ったり止んだりの空模様。それでも、岡山駅・美作市役所・道の駅あわくらんどの各地からバスに乗って集まった参加者のみなさんは、しっとりと潤う森や山に迎えられ西粟倉にご到着されました。参加者の皆様の顔ぶれは、小さなお子さん連れのご家族から、自然や森林に関心を寄せる大人の方までさまざまでした。バスを降りた瞬間に広がる山あいの景色と澄んだ空気とともに、「大学」の一日が始まりました。


百年の森林構想の講義と庁舎見学 ― 自然の恵みを肌で感じる冷暖房
最初は、西粟倉村の上山隆浩副村長によるお話です。面積の多くを森林が占める西粟倉村が取り組む、地域資源と経済の循環モデル「百年の森林(もり)事業」について、村内産木材をふんだんに使って建てられたあわくら会館・百森ひろばにて、学びました。未来の森と村の姿を見据えて木を植え、育て、使い、その恵みを村の暮らしと経済に還していくという、壮大な構想のお話に、大人の参加者の方が深くうなずく姿が印象的でした。

講義の後は、副村長の案内で庁舎を更に見学。冬は木材チップを活用したボイラーで暖房を、夏は地下水を汲み上げて冷房をまかなっているというお話には、参加者は興味津々。実際に庁舎内の床から吹き出すひんやりとした空気に手をかざし、それが機械だけでつくられたものではなく、森と大地からの自然の恵みであることを、肌で実感する時間となりました。アンケートでも「庁舎での自然のクーラーのことを知ることができた」「あたたかみのある建物で、何度も足を運びたくなった」といった声が寄せられました。

ビオ田んぼで生き物さがし ― 雨なんてへっちゃら!
続いては、田んぼの価値を高める生き物との共存をめざすビオトープ付きの田んぼ「ビオ田んぼ」での生き物さがしです。ここでは子どもたちのエネルギーと嬉しさが爆発!雨もまったく関係なく、網やバケツを手に夢中で田んぼの中の生き物を探し、何かが見つかるたびに「これはなんだろう?」と講師に尋ねては目を輝かせていました。そして、その熱中する子どもたちの背中を大人たちは嬉しそうに眺めながら、時に一緒にガサガサと生き物探しをされていました。


この日はタガメの赤ちゃんや成虫にも出会うことができ、「野生のタガメが見られた。これほど豊かなビオトープは見たことがない」という感動の声もありました。農薬をできる限り使わない田んぼだからこそ育まれる、たくさんの命と、日本の田んぼが本来もっていた生き物の豊かさを、大人も子どもも五感いっぱいに感じたひとときでした。


木材加工場の見学とヒノキとんぼづくり
木材事業における資源循環の具体的な事例の1つとして、エーゼログループの木材加工場を見学しました。この日は工場が稼働してない土曜日だったのですが、工場を歩きながら製材の流れや工夫、端材やおがくずまで無駄なく使い切る工夫の数々をご紹介しました。現場は製材された木材が積み上げられた様子、板や製品へと姿を変えていく機械たちが並び、大人も子ども熱心にご覧になっていました。
あわせて体験いただいたのは、ヒノキを削ってつくる竹とんぼならぬ「ヒノキとんぼ」のワークショップ。子どもたちはヤスリやマーカーを手に真剣そのもの。参考となる完成品を注視して、羽を熱心に削っては飛ばして調整を繰り返したり、削りたてのヒノキの香りをすうっと吸い込んで楽しんだり。森の木が姿を変えて手元のおもちゃになる体験を通して、木を使うことも森を育てることにつながる様子がそこに在りました。


お昼ごはんは森のごちそう ― BASE 101%-NISHIAWAKURA-
お昼ごはんは、エーゼログループの運営する飲食店「BASE 101%-NISHIAWAKURA-」でご用意しました。村の農家さんが作られたお米、村や近隣の山で獲れた鹿肉を使った生姜焼きなど、自然の恵みを余すことなく生かした森のごちそうをいただきました。「初めてシカ肉を食べたけれど、思ったよりおいしかった」という声が多く聞かれ、食後には村の酪農家さんの牛乳を使ったソフトクリームも登場。地域の食材を地域でおいしくいただくことも、大切な資源循環のかたちであることを、おなかいっぱい味わっていただきました。
また、今回はどうしても食べきれない方の残飯を堆肥にするためにコンポストも設置。山の恵みから食卓、どうしても出てくる残飯は土に還して、そこからできる堆肥はお米作りに活かす、参加者の皆様にはそのサイクルの中に居ることを感じてもらえていたら嬉しいです。

若杉天然林の森歩き ― 雨の森ならではの表情
午後は、植物がありのまま育ち共存する若杉天然林へ。森の案内人・エーゼログループの太刀川の解説を聞きながら、天然林と人工林の違いや、菌類・苔類・木々の生存戦略を肌で感じる森歩きです。雨上がりの霧が漂う原生林は、まるで物語の世界のような幻想的な美しさでした。「雨の天然林の雰囲気や空気感を感じられて、とても良い経験になった」「霧の漂う原生林で解説を聞くのは不思議な感慨があった」と、雨の日ならではの森の表情が、かえって参加者の皆様の心に深く残ったようです。
「3センチ育つのに9年かかる木と、1年で6センチ育つ木を見比べられた」という声のとおり、一本一本の木の戦略や、その木々のペースで流れる森の時間にふれ、参加者の皆様それぞれが自分なりの発見を持ち帰っていただきました。森歩きのあとは道の駅あわくらんどに立ち寄り、短い時間でしたが村のお土産を選ぶ楽しみも。名残を惜しみつつ、それぞれの家路につきました。


アンケートから ― 参加者のみなさんの声
参加者アンケート(回収34件)では、満足度は「大変満足」68%、「満足」32%と、全員から「満足」以上の評価をいただきました。一番心にのこったプログラムは「ビオ田んぼでの生き物さがし」(44%)がトップ、次いで「若杉天然林の森歩き」(29%)。そして「自然を大切にしたい気持ちが強くなりましたか」という問いには、全員が「とても強くなった」(68%)または「すこし強くなった」(32%)と回答してくださいました。
関心のある環境分野としては「地球温暖化」(50%)、「環境に配慮したライフスタイル」(47%)、「森林保全」(41%)が上位にあがり、一日の体験が身近な環境問題への関心にもつながっている様子がうかがえます。また、参加者の約6割は西粟倉村を初めて訪れた方でしたが、9割以上が「ぜひまた来たい」と答えてくださいました。今後参加したいイベントとして「森や川の生き物観察」(74%)や「木を使った工作体験」(56%)を挙げる声も多く、「楽しく大学生をしました。色々なイベントを催してくださって、楽しかった。また来たいです」という嬉しいメッセージもいただきました。
おわりに
雨が降ったり止んだりの一日でしたが、振り返れば、雨に濡れた森の緑も、霧の原生林も、雨をものともしない子どもたちの歓声も、すべてがこの日だからこそ見られた風景で宝物のように感じています。
森の恵みを感じ、味わい、学んだ1日環境大学。
ここで芽生えた「自然を大切にしたい」という気持ちを、これからの暮らしの中で育てていただけたら幸いです。ご参加いただいたみなさん、ご協力いただいた西粟倉村・美作市をはじめとする関係者のみなさん、そして今回西粟倉を開催場所に選んでくださった美作県民局の皆様。本当にありがとうございました。
またお会いできますことを楽しみにしております。
